2014.12.21

公会計は万能か

こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 先日、英語をしゃべれる友人に、ふと思い立って聞いてみました。
 英語をしゃべる時と、日本語をしゃべる時で、人格は違うの? と。
 やれ英語だ、やれグローバルだと叫ばれる中、英語がしゃべれれば国際人と言わんばかりの風潮に、少し嫌気がさしています。
 どなたかがおっしゃっていました。日本語でまともに自己主張出来ないのに、英語でしゃべれば自己主張出来るなんてあり得ない、と。
 そうかな、と思いつつ、言語が違えば、語り口調も変わり、その言葉を発する人格も変わるのではないかと思ったりもします。それが、冒頭に書いた疑問を抱いたきっかけです。
 ふと思ったのですが、公会計でも同じではないでしょうか。
 地方自治体も、民間企業の発想を取り入れ、公会計を整備する必要がある。
 公会計を整備して、コスト情報、ストック情報を把握し、効率的な運営を行なう必要がある。
 そう叫ばれて久しい。
 ただ、果たしてそうなのか。
「公会計を導入すれば、民間並みの効率的な運営が出来るようになる」という発想は、「英語をしゃべれれば、自分の意見を明確に主張出来るようになる」という発想と同じではないでしょうか。
 公会計が重要だとしても、公会計を導入することそのものが目的ではありません。時折、とにかく形だけでも導入しようという発想に出会うことがありますが、導入することで、それを作る人、使う人の思考が徐々に変化していかなければ、真に生きた会計にはならないでしょう。
 冒頭の疑問に対して、友人はこう答えました。
「そういった(英語での)やり取りを通じて、長い目で見れば中の内面人格も少しずつ影響されるかもしれない」と。
 組織の内面体質も影響されるような、真剣な公会計導入をどれほどの自治体が考えているか。私は少し懐疑的に眺めています。


CONTACTお問い合わせ

PAGE TOP