2014.04.12
年度始めに
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
4月に入り、新しい年度が始まりました。
定期券売り場に人が並び、電車が混み、街には同じ格好をした新社会人の笑顔があふれる。
毎年の光景ですが、今年はたまたま身の回りでも、地域の年度初めを感じる行事が相次ぎました。
1つは選挙。もっとも年度初めだからということではないでしょうが、先週の日曜日、京都府知事選挙ともう1つ何かの選挙(すみません、この程度の認識で)が行なわれたのです。
1週間ほど前まで、選挙があることすら意識していなかった。当日の朝まで、どなたが立候補しているか知らなかった。そんな不真面目住民ですが、棄権はよくないと思い、投票所に行ってきました。
選挙で思い出すのは、想田和弘監督が制作された『選挙』『選挙2』という観察映画です。「観察」ですので、ひたすら観察。とある市議会議員選挙に立候補した候補者に密着し、とにかくカメラを回します。ナレーションや音楽は一切なし。すべては、観る人の感じ方に委ねられています。
『選挙』も『選挙2』も、同じ候補者を追っているのですが、決定的に違うのは、その立場です。『選挙』の際は自民党の公認を受けての立候補でしたが、『選挙2』では公認が得られず、単独で立候補されました。
日本の選挙って何なんだろう。いろんなことを考えさせてくれる映画です。
選挙の数日後には、子どもの小学校入学式が行なわれました。子どもの成長を眺める親としての感情はさておくとして、面白かったのは、国歌斉唱と校歌斉唱の場面です。
国家に関しては先生や出席した6年生、保護者含めて、ほとんど誰も歌っていない(ように見えた・聞こえた)。ところが、校歌は先生はもちろん、6年生も大きな声で歌っていました。
国家斉唱にあたって口パクを監視する。そんな地域もありました。その地域では、教員不足が深刻だ、というニュースも報じられています(10日、毎日新聞)。
http://mainichi.jp/select/news/20140410k0000e040226000c.html
かつて米国在住の映画評論家町山智浩さんは、おっしゃいました。米国では国旗を焼く自由も認められているからこそ、そんな自由を認めてくれる国家のために命を投げ出す、と。とあるイベントでのお話でしたので、正確な表現は忘れましたが、なるほど、そういう発想はなかったなあ、と自省したことを覚えています。
入学式での国歌斉唱の声が小さかったことで、私は、何だか妙にほっとしました。教育崩壊だのと叫ばれていますが、現場で教育を担ってくれるのは、間違いなく今の先生方です。そういった先生方のモチベーションをこれ以上、下げないでほしい。教育現場の施策は、子どもの教育に資するかどうかのみで判断してほしい。切に、そう願います。