2012.08.08
廃校跡の活用
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
本日の日経新聞近畿欄に、「近畿の自治体 廃校跡や校舎 活用探る」という記事がありました。
市町村合併による統合や少子化の影響で、学校の廃校は増加しています。
京都市は、京都芸術センターや京都国際マンガミュージアムに転用。
奈良県はJAに事業用定期借地として賃貸。
そういった事例も出てきているようです。
そんな中、高知県四万十町で、廃校の体育館を改装したフィギュア専門ミュージアムの話が出てきます。大阪府門真市に本社を置くフィギュア大手の海洋堂ですね。
海洋堂ホビー館というのですが、昨年、一度訪ねました。もう、とんでもなく辺鄙なところにあります(四万十の方、ごめんなさい)。車で行きましたが、頼むから対向車来ないでね、と祈りながらハンドルを操作していました。
で、本当にあったのですが、実に面白い。私はフィギュアファンでも何でもありませんが、その圧倒的な展示数、遊び心に、館内を3周くらい回りました。
HPによれば、開館1年を超えて、来場者数も10万人を突破したのだとか。
なぜ成功しているのか。理由はいろいろあると思うのですが、会社と地域が密接に連携し、何とか過疎化する四万十町という地域を盛り立てたい。その愛に溢れているからだと感じました。
公会計の話をしていると、固定資産に減損会計を適用、と主張する議論も見かけます。こうした廃校の活用が進めば、会計的には減損が回避できるなどの実利もあるかもしれません。
私も校舎の再利用は素晴らしいと思います。ただ、その根拠は減損会計などではありません。そもそも、自治体の固定資産になぜ減損という発想が必要なのか、私にはまるで理解できません。純粋に、使われずに残っている校舎が有効活用されるなら、それにこしたことはない。それで地域に人が集まり、活性化されるなら、なおよい。それだけの話です。
ちなみに、同じ今日の日経新聞文化欄「交遊抄」は、海洋堂創業者の宮脇修さんでした。創業者の出身地が四万十なのですね。日経新聞の粋な計らいということでしょうか。