2016.01.31
調整池を眺める
こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
つい先ほど、近所を4kmほど走ってきました。
走ったのは2週間ぶりでしょうか。走る時間がなかったのではなく、走る気力がありませんでした。ただ、1月期限の仕事が落ち着いたこと、2月の宇治川マラソンが近づいてきたこと、そして何より、身体が走ることを求めていたこと。走る時間は、何からも解放される貴重な時間です。
4kmほど走るいつものコースには、「調整池」が少なくとも2つあります。1つは「調整池」と明示されていますが、もう1つは明示されていません。でも、同じようなつくりですので、きっと調整池なのでしょう。
Wikipediaによれば、調整池とは、「集中豪雨などの局地的な出水により、河川の流下能力を超過する可能性のある洪水を河川に入る前に一時的に溜める池」とあります。
これは相当大きな、しっかりした調整池だと思いますが、三重県の「e-すまい三重」というページで説明されている「山などの開発を行うと一般的に雨水等の地面にしみ込む量が減って、その地区から流れ出る水の量が増え、この開発区域より下流の川では洪水の危険が高くなります。これを抑えるのが調整池です」という解説の方が、住宅地にある調整池にふさわしいのかもしれません。
ランニングコースにある調整池も、住宅街の真ん中に配置され、おそらく住宅開発会社が造成したものと思われます。それほど大きいものではなく、スペースは家1つ分くらい。そこに、「池」というよりも「大きな水溜り」といった方が似つかわしいほどの水がためられています。
かつて、とある自治体で、調整池の評価について聞かれたことがあります。その際は、自治体がしっかり予算をつけて整備した立派な調整池はいいけれど、住宅地で開発会社が造成して、完成後、自治体に寄付される調整池はどう評価すればいいか、という話でした。
もらったからといって、0評価ではありません。売却できないからといって、0評価ではありません。そんなことをしたら自治体が保有する多くの固定資産が0評価になってしまいます。
かといって、寄付を受けた調整池をどう評価するかは、考えれば考えるほど、難しい問題です。
住宅開発会社に聞いてみる。
自治体が造成した調整池の(たとえば)面積あたり単価を使用する。
あるいは、その単価の50%評価とする。
さしたる名答があるわけではないのですが、そもそも本来、金額に換算できないけれど地域の生活を支えている資産を金額評価しようとするのが自治体の固定資産評価です。何が正確かの答えがあるわけではありませんので、調整池に限らず、どこかで「割り切り」が必要なのだと、私は思います。