2016.07.13
財務デューデリジェンスの実務
みなさん、こんばんは。
先週の話になりますが、7月5日に毎月開催しているエアーズ研修会で久しぶりに
講師をさせていただき、『財務デューデリジェンスの実務』についてお話しさせて
いただきました。
内容は、事前準備、心構えから始まり、調査初日午前の留意点、初日午後~の留意点、
最終日の留意点や税務上と会計上のデューデリコストの取り扱いなどの総論的な話のほか、
科目別の調査手続きや留意点、実際によくある問題点などの各論にも力を入れました。
通常、1時間半~2時間の研修会なのですが、気合いが入りすぎまして終わってみたら
2時間20分を経過し、参加者の皆様にご迷惑をおかけしてしまいました。。。
休憩もなく、スパルタ研修会となりましたこと、この場を借りてお詫び申し上げます。
セミナー後の懇親会で、若手の会計士の皆さんから、
『あこまで言ってもいいですか?かなりノウハウ部分ですよね』とご心配いただきましたが、
最近、おいしい料理屋さんがレシピを堂々と公開しているのと同じで、エアーズもノウハウを
どんどん公開していきたいと思います。
今回のセミナーで伝えたかったことは、
『財務DDは長期間にわたるM&A交渉に関する手続の中の単なる1手続にすぎない。
しかし、財務DDの結果次第ではスキーム変更やブレイクもある。だから、財務DDでは、
ただ単に数値を見るだけではなく、まずは相手の気持ちをほぐしつつ、組織風土、人材、
内部統制など非財務情報も併せて意識することが大切』
ということです。
また、若手会計士の皆さんが初めて聞いたと喜んでくれたのは、
『固定資産(特に土地建物)は必ず視察をすべし。その際、気を付けるべきことは隣地だ』
という部分でした。
私の経験則上の話ですが、隣地を売り手の近親者が保有しているケースなど問題が潜んでいる
ケースが多く、そのようにアドバイスしたのですが、もちろんどこの本にも書いていません。
『盲点でした』と言ってくれた独立会計士の後輩がいて、ちょっとうれしかったですね。
次月からは、相続や組織再編税制など、ちょっと会計税務チックな話が多いですが、身になる話
ばかりですので、興味のある方はどしどしご参加ください。無料ですから!
井上 豪