2015.10.02
部分非合理
みなさん、おはようございます。
同志社大学会計人会というOB組織があり、微力ながら幹事を仰せつかっておりますが、
その研修会及び総会・懇親会が先週土曜日にありました。
朝から子供の運動会に参加し、お昼のお弁当を食べてすぐに滋賀県を出発し、
総会に間に合わせましたが、総会後の研修会の内容に非常に感銘を受けました。
内容は、『知的資産経営』というお題で、龍谷大学教授、同志社大学非常勤講師の
中森先生によるご講演でした。
非常に具体的かつ実例を多く交えたご講演で、あっという間の90分でした。
決算書に表れない価値をどう評価するか?何が経営において大切かを問う内容で、
そのお話の中で、
全体的には合理的で、部分的にも合理的なことはみんながやる。
ブランド価値を創造するには、全体的には合理的でも、部分的には非合理な面が
あるべきだ、といった内容です。
今までエアーズという組織を運営してきて、自分なりには気を付けてきたことが
先生からまとまった言葉で聞かされた気がして、スッと腹に落ちました。
どういうことかと申しますと、例えばCSRに代表されるような企業の社会的責任の
お話で、短期的には利益にならない事でも、長期的には利益になる(合理性がある)
ことが重要。典型例で言いますと、地域のごみ拾いや地域住民の住環境を改善するような
企業活動などです。
短期的な利益を常に追求すると、それは長期的には非合理になる可能性もある。
毎月やっているエアーズセミナーですが、参加者からは一切参加費用をもらいません。
ワンコインセミナーなどもよくありますが、それすらもらわない体制で、この7年ほど
やってきています。セミナー後の懇親会費用も一度ももらったことがありません。
参加費用もらったら?というお言葉もよくありますが、これこそ私なりの『非合理性』です。
士業やクライアントの皆さんの貴重な時間を割いて参加していただいており、
参加者に動いて来ていただいている時間をお金に換算するとすごい額になります。
それに対する感謝の気持ちがそのように現れていまして、これによって強いネットワークと
コミュニケーションが作れると信じています。
おかげさまで、ネットワークは広がり続け、エアーズの貴重な無形資産となっています。
お金を取るかどうかは関係ないのかもしれませんが、私の気持ちが皆さんにそういう形で
伝わってきたのかな、と思っています。
それ以外にも、エアーズの職員には、『もう少しお金もらってもよいのでは?』と言われる
ことが多々あります。しかし、結局は自分の信念、長期的な理想というものを軸に判断すれば、
部分的には非合理に見えることも、長期的に見れば合理的判断、となると思っています。
西武の秋山選手、シーズン最多安打おめでとうございます。彼がすごいのはチームプレーに
徹しており、軸がブレないところだと思っています。
連続試合安打が続いていた今年初夏のころ、記録が途切れそうな試合の最終打席で、きわどい球を
見送ってフォアボールを選択しました。
短期的な視点であれば、少々のボール球でも手を出してヒットを狙いに行くかもしれませんが、
彼は全くそのような素振りはありません。
まさに、チーム優勝という全体合理性に向けて、部分非合理を選択した。
そういう選手が、長期的には成功し、上に立てるのだと思います。
これからも、ブレず、浮足立たず、地道にがんばって行こうと思います。
井上 豪