2015.07.25
マイナンバー 誤解が多いトップ5
みなさん、こんばんは。
最近、非常に話題になっているマイナンバーですが、いよいよ10月5日以降に
各自治体から全国民に配布が始まります。
エアーズとしても、セミナー開催などでクライアントの皆様などに情報を発信して
おりますが、その中で意外と誤解が多いトップ5についてご紹介したいと思います。
①本人確認、番号確認、身元確認の混同
→本人確認の中に、番号確認と身元確認がある、という関係です。
本人確認してください!と言われれば、番号確認と身元確認をする必要があります。
★番号確認とは、その名の通り従業員等から示された番号が本当に合っているか?というもの
であり、具体的には従業員から示された番号と①通知カード、②個人番号カード又は③個人番号付の
住民票のいずれかに記載されている番号が一致していることを確認すること、です。
個人番号(マイナンバー)が記載されているものは、①通知カード、②個人番号カード、③個人番号
付の住民票しかないと思われますので、それらのどれかと従業員が示した番号の一致を確認します。
★身元確認は、平たく言えば、番号確認によって番号と個人名とが紐付されたとして、その個人が
本当に目の前にいるこの人のことなのか?を確認することです。番号確認によって、井上豪と個人番
号12ケタが紐付いていることを確認し、身元確認によって、この井上豪という人間が目の前にいる
この男か?を確認します。ですので、写真付の資料と突き合わせるのがベストです。したがって、
個人番号カード(取得した人のみ)、運転免許証、パスポートがあれば一番手っ取り早いですね。
ただ、このいずれも持たない人もあり得ますから、制度としては以下の2つを確認することで
身元確認として認めています。それは、健康保険証、年金手帳、印鑑証明書、公的機関の領収書など
です。
②従業員の身元確認は不要?
Q&Aなどに、『雇用関係にあるなど、人違いでないことが明らかと個人番号利用実務実施者が
認めるときは、身元確認書類は要しない』と書かれています。ここで、ポイントは、『個人番号
利用実務実施者が認めるときは』という部分です。この『個人番号利用実務実施者』とは個人番号
を集める会社のことではなく、行政機関(国税庁や社会保険庁)のことです。つまり、国税庁や
社会保険庁がいいよって言うなら、従業員などの身元確認はしなくてもよいケースもある、という
ことになります。これに対して実際に国税庁や社会保険庁がOKと言っているかというと、結論と
しては、国税庁はOKと言っているが、社会保険庁は現時点でまだ答えを出していません。
ですので、現時点においては会社は身元確認もするつもりで準備しておく必要があると思って
います。また、過去従業員やパートアルバイトを採用する際に、確実に身元確認をしてきたか?
と問われれば、自信をもってYESと言える会社ばかりではないと思います。以上からは、私個人的
にはすべての従業員、パート、アルバイトに対して身元確認を実施しておく方がベターであると
考えています。ちなみに、派遣社員は派遣元がマイナンバーを集めますので、派遣先企業は派遣社員
のマイナンバーを集めてはいけません。
③マイナンバーを100%集めないと会社は罰せられる?
会社にはマイナンバーを収集する義務がありますが、現状ではマイナンバーを提供しない人に対
して罰則はありませんので、従業員や外注先などでマイナンバーを提供してくれない者が出てくる
可能性があります。この場合は、会社は従業員等への理解を求めるために再度説明を行い、その履歴
を明確に残しておくべきです。そうすれば、会社が行政から責められることは無いと思われます。
④扶養親族のマイナンバーの本人確認は従業員が行うので会社は行わない?
これは税金の方の話であり、社会保険はそうではありません。国民年金の第3号被保険者(従業員が
男性で奥様が主婦をしている場合はその奥様)については、会社は本来直接その奥様の本人確認を
行う必要があり、逆に従業員には関係ありません。ただ、実務上は従業員が代理人という形で間に
入って手続きを進めることになりますが、そもそも従業員が代理人として適切かどうかの確認をする
必要が出てきます。具体的には従業員の委任状の確認や身元確認です。その後、奥様の番号確認など
の本人確認を行います。
⑤とりあえず、マイナンバーについて最低限のことだけやっておくべき?
平成20年、上場企業に内部統制という制度が入ってきました。会社によっては、それに合わせて
社内の業務フローの見直しを行ったので、制度を通じて社内体制が強固になった、というケース
もあれば、適当に制度対応していたので社内体制の改革に結びついていないケースもあります。
マイナンバーもこれと同様で、この際、社内の人事労務制度や外注管理を見直し、管理を省力化
しながら強化できるような改革を試みるべきだと考えます。どうせやるなら、プラスαを取りに
行くべきですよね。
井上 豪