2016.09.12

思い切った事業承継対策を!

みなさん、こんばんは。

今年は台風の少ない年かと思いきや、この1カ月ほどは連続で日本列島を襲っております。

昨年は、私は台風の当たり年で、日本に上陸したほぼ全ての台風について、上陸の時にその場に

出張や旅行の予定が入っているという、神がかり的な年でした。宮崎、岡山、沖縄等我ながら

なかなか見事でありました。

そして、今年はと言いますとその逆で、全く台風に遭いません。

9月5日午後に島根県の益田市へ出張で行きましたが、当初の予報では台風がちょうどその日の午後に

島根県益田市付近に上陸するような進路になっておりました。とうとう今年もかと思って

おりましたが、実際には台風が直前で弱まり、しかも進行方向が北へずれたため、益田市では

激しい暴風雨もなく、比較的穏やかにクリアすることができました。

今年は、ついてます!

 

さて、エアーズでは事業承継も色々とやらせていただいておりますが、ある相談案件で悲しい出来事

がありました。

姉妹で50%ずつ株式を保有している会社で、姉妹で2年おきに交替で社長をやる約束になっていました。

私が姉から相談を受け、

『今は妹が社長をしてますが、来年私が社長になったら、会社を分割して今後は姉妹で別々の会社

として自由にやっていけるようにしたい』

というものでした。

それでは考えてみましょう、と言っていた矢先、妹から、

『私はお姉ちゃんに社長交代するつもりはない』

との連絡が来ました。

また、その直後に、取締役である姉を解任する件についての、臨時株主総会開催の招集通知が

姉の家に届いていました。しかし、姉は特に気にせず放置していました。

 

姉から連絡をいただき、私も大変驚きましたが、とりあえず会社の定款等を頂戴して拝見しました。

すると、定款には、

①取締役の任期は特に定めないが、いつでも株主総会決議で解任できる、との記載

②株主総会は、株主の3分の1以上の出席、その出席株主の過半数の決定で決議

とされています。

 

弁護士さんとも相談しましたが、この場合、

■役員の任意について定めがないケースでも最長の10年で資格を喪失する可能性はありますが、

その場合でも姉妹で各50%ずつ株式を保有しているため、新たな役員の選任は過半数がとれない

以上決定できない。

■その場合、直前の代表がそのまま会社の代表となる。=妹がずっと役員で居座ることができる。

■さらに姉は自分が解任される株主総会に欠席した。会社の株主総会の定足数は、過半数ではなく、

3分の1に軽減されているため、姉が参加しなくても株主総会は有効に成立し、出席株主の過半数で

決議は有効に成立します。

■よって、姉は適法に会社から排除される。

■姉妹間での2年おきに社長交替というルールを破ったことについては、対会社については意味を

持たず、姉妹間で逸失利益(役員を継続していたら得られたであろう報酬など)を巡って

損害賠償訴訟が提起されることはありうるが、社長に返り咲くことはできない。

 

ということです。

妹の方が先に対策を練っていたようですね。。。

姉は株主としては50%残りますが、特別決議の拒否権と、帳簿閲覧権や株主代表訴訟する権利など、

嫌がらせする程度の権利しかありません。

 

私は従来から、

『兄弟姉妹は他人の始まりであり、株式を平等に分けて保有するべきではない。』

と考えています。

 

大阪のある会社の社長で、自分の親から会社を引き継ぐ時に、兄弟との間で株式争いをした

つらい経験をお持ちの方がおられます。

自分の子供(男2名、女1名)には、幼い時から

『会社はお兄ちゃんがやるから、次男は自分で仕事を探すか、自分で新しく会社を作りなさい』

と言っていたようです。

結果は大成功で、経営は極めて順調です。現社長である長男は、

『親父が昔からそう言って、俺や兄弟に迷いを作らなかったことに感謝しています』

とおっしゃっていました。

父である2代目は、同じ思いを絶対に子供にさせたくなかったんでしょうね。

 

親族間というのは、血がつながっている分、変に気を使います。

アカの他人であれば言えることが、身内になると言えなくなるのですが、

逆に文句を言い始めると止まらないのも身内の怖さです。

 

私の経験では、一旦もめ始めると、仕事どころでは無くなってきます。

兄弟姉妹が一緒に働いている会社では尚更であり、本来他社との競争に

向いているべき意識が、内部での争いにシフトし、企業としての競争力が著しく失われます。

また、もめ事が長期間になることも多く、影響は長期化します。

当然、従業員の士気も下がり業績は低迷しはじめ、社内の雰囲気は最悪に。

 

自分の子供は全員可愛くて、差をつけられないと思っている社長も多く、お気持ちは十分

わかるのですが、やはりここは腹をくくり、兄弟姉妹の仲を継続させるためにも、

後継者を明確に指名するとともに、株式の集中化も行うべきであると考えています。

がんばれ!社長!!

 

井上 豪


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