2008.11.04
三方よし
みなさん、こんばんわ。
今日は、まずこのブログの題名にもなっている「三方よし」について簡単にご説明したいと思います。
以前にも書きましたが、私は典型的な野球小僧で甲子園に行くことだけを考えて高校時代まで生きておりました。そのおかげで、滋賀県の大津商業高校へ行きましたが、そこでは商業高校ならではの授業がいくつもありました。たとえば、商業実践といって、いくつかのクラスが集まって数人で会社を作り、3時間ぐらいを使って実際にビジネスをする授業など。実際に手形や小切手を切ったりして、ミニビジネス社会を体感する授業で、赤字の会社の生徒は欠点という話でした。今から思えば、最先端の授業じゃないかと関心します。
そんな商業高校の授業の一環で、近江商人の生家を訪ねることがありました。近江商人とは、滋賀県の湖東地域で生まれた商人たちで、行ったことのない遠くまで行商に行って、現地で信頼を得て売りさばき、帰りにまた買い物をして帰ってきて地元で商売をしていた方々です。この商売のやり方を「のこぎり商い」と呼びました。行きも帰りも商売する(切る)ということの意味です。
近江商人出身の企業は多く、特に有名どころでは、
・商社 … 伊藤忠商事、丸紅、トーメン
・百貨店 … 高島屋、大丸、西武
・紡績 … 日清紡、東洋紡
・その他 … 日本生命、ヤンマーディーゼル、ワコール
などがあります。
その近江商人の言葉で私が最も好きなのが「三方よし」です。
この三方とは、「相手」「自分」「世間」を指します。つまり、相手と自分と世間が良しとする商売でないと、企業は長続きしないという教えです。
これは、今でこそCSR(企業の社会的責任)ブームでクローズアップされてきていますが、商業高校卒業の私たちには以前から大切な概念として身に浸みています。
エアーズを立ち上げるにあたり、まさにこれを経営理念に取り入れたいと思い、弊社の理念として前面に押し出しています。
言っていること自体は何も難しいことではないのですが、仕事が回りだしたり、甘い話があるとついつい忘れてしまう概念です。ポイントは世間よしという所です。これには、自ずとコンプライアンスの概念も入っています。
会社を4月に設立し、開業準備期間の4月〜6月までの間に、役員でいろいろと話合いました。その際にも、この「三方よし」の精神で「日本の会社を強くする」ために我々が何をするべきかを熱く語りました。そのために、6月に琵琶湖岸の近江舞子の民宿で役員4人2泊3日の合宿をしたぐらいです。その合宿では、お互いをよく知るために、子供の時からの詳細な自己紹介や、比叡山での座禅、会社の経営方針や経営計画の立案、琵琶湖での寒中?水泳、そして最後に近江商人の博物館めぐりを入れてフィナーレを迎えました。
三方よしの精神は、企業の長期的な成長には欠かせない概念であり、我々と関わりを持っていただける多くの企業様にもご紹介していきたいと思います。