2009.02.10

私の履歴書(ドトール名誉会長)

皆さん、こんばんわ。
日経新聞で私の履歴書をご覧の方も多いと思いますが、今回のドトールコーヒー鳥羽名誉会長の履歴書は特に楽しく読ませていただいてます。
会長には無礼かもしれませんが、共感できる部分がたくさんあり、朝の楽しみの一つとなっています。過去も、神様仏様稲尾様の履歴書や武田薬品、ダイキン工業社長の履歴書も楽しかった思い出がありますが、偉大な方々はやはり文章もおもしろいですね。というか、文章というよりも生き方そのものがおもしろいというか。やはり、惹き付けられるものがあります。
鳥羽会長の苦労話で、先週だったと思いますが、コーヒー屋の社長に突然営業をしなさいと言われた時のことですが、口ベタな鳥羽はお客さんの信用を得るために、口以外のところで一生懸命アピールし、仕事を受注していきます。
ところがある日、40度の高熱を出して実家で寝ていたら会社から電話がかかってきて、大口顧客に営業に行かされ、結果大きな受注ができたという話です。この時ばかりは、『会社は俺を殺す気か?殺す気ならば殺されてやる!』と思った、というフレーズが大好きです。そして、いつの間にか熱は下がっていて、この時に人間の精神力のすごさを痛感したと。
まったく同感です。
私も、高校時代に同じような経験をしました。
高校1年生で野球部に所属していた私は、初めての冬の走り込み合宿を迎えようとしていました。うちの高校の野球部は当時厳しい練習が有名で、毎年びわこ放送(超ローカル)が練習の取材に来ていたほどです。冬の走り込み合宿も有名で、野球部員はその日が近づいてくると憂鬱な毎日を送っていました。なんせ、3日間走るだけの合宿なのです。キャッチボールやバッティングは一切なし。おまけに、早朝5時とかに起こされて裸足でグランドを走るなど、精神力野球の極みでした。
夏の走り込み合宿にはよく救急車が来ていたという伝説もあります。
そんな恐ろしい冬の走り込み合宿が近づいてきて、いよいよ初日確か金曜日だったと思いますが、緊張した状態で授業を受けていると、何だか寒気がする。ストーブの前のフェンスにベッタリひっついた状態で授業を受けていましたが、どうもおかしい。昼に保健室に行くと、39.5度の熱でした。厳しい野球部でしたから、熱が出たとか風邪をひいたとかでは休む理由には全くなりません。それは知っていましたので、合宿は休めないと思っていましたが、あまりにおかしいので、午後の授業の間の休憩時間に廊下で出会った監督に『すいません、ちょっと熱があるみたいで』と言うと、『ほんで?』と軽い切り返し。『今日の練習休ませていただきたいんですが』というと、横にいた先輩も監督と一緒に笑いだし、『おい、熱で合宿休むっていうてるで!』という状態。当時は、本当に熱で休むなんてありえないという風潮だったのです。
監督から『本気で言ってるんか?熱ははかったんか?』との質問があり、『はい。39.5度でした』というと、さすがに監督も表情が変わって、しばらく考え、『今日だけは帰ってもええ。でもな。明日からは絶対出て来い!!!一日で治してこい!!!!!絶対やぞ!!!!!!!』と大声で激を飛ばされました。
正直、一日もないですやんか〜と言いたかったところですが、半日で何が何でも熱を下げるという命題ができたのです。ふらふらと電車で自宅へ戻ったのがすでに6時ごろだったと思います。
熱は40度まで上がっていましたが、病院にも行かずひたすら寝ました。明日からは恐怖の合宿が待っている。というか、今日から始まっている!絶対にあと12時間で熱を下げなければ!!!
そのプレッシャーは高校1年生の私にとって、相当なものでしたが、翌朝起きてみると、38度程度まで下がっていました。監督との約束ですので朝から走り込み合宿に参加して、一日走り込みをしました。正直その日の記憶はほとんど残っていませんが、意識朦朧で走っていたと思います。
そのまま、何とか次の日も合宿を終え、初日の夕方からは欠席しましたが、2日目3日目は朝から晩まで合宿に参加することができ、3日目には熱は下がっていました。
この時に、病気は精神力で何とかなるもんだ、と痛感したんです。
でも、大学2回生の時に4年ぶりに大熱が出て、また40度まで熱が上がりました。この時は、病院に行って薬をもらったので、37度まで一気にさがりましたが、その時に高校時代を思い出し、寝てるから熱が下がらないんだと思い突然5キロほどランニングをしてしまいました。帰宅してちょうど薬が切れると恐ろしい勢いで熱が上昇し、10分おきに1度ずつ上がって行きました。最初は37度、10分後に38度、20分後に39度、30分後に40度この辺りからヤバいと思ったのですが、その10分後に恐る恐る熱を測ると41度!このペースでいくと死ぬ!と思いました。
すぐに、病院へ送ってもらい、注射で難を逃れましたが、医者にひどく怒られました。
過去の栄光は、今の毒となることもあるのですね。経営学でよく聞く話です。
みなさん、仕事もスポーツも過去の栄光を引きずっていると、大けがをすることがありますから、注意しましょう!


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