2010.06.23

一事が万事

みなさん、大変ご無沙汰しております。
6月に入って、めっきりブログを書く機会が減ってしまいました。
本来ゆっくりできるはずの6月ですが、
最近調査関連が多く、6月7月はあちこちに調査に行っております。
6月16日にエアーズの研修会の講師をさせていただき、
資格者12名の参加のもと、M&Aの事例紹介の研修をしましたが、
ここ1年は、本当に調査関連の多い年でした。
一口に調査と言いましても、
 ・会社を買う側が相手の会社の価値を判断する
 ・会社を売る側が自分の会社の価値をアピールする
 ・亡くなった方の相続財産を調べる
 ・つぶれそうな会社を何とか存続させるための手段を調べ交渉する
など、多岐にわたります。
ただ、最近思うことは、
会社を売るとか買うとか、この手の話は、これから非常に増えてくるということです。
時代は『中古再生』へと動いていくでしょう。
簡単に言いますと、
家でも新築よりも、中古をリフォームして使う時代へと向かっているように、
会社も0から作るのではなく、すでにできている会社や事業を人ごと買ってきて
リフォームや増築するような動きがますます増えるでしょう。
人口減少の影響をうけ、また戦後のベビーブームの団塊世代の皆さんが
作られた会社が、そろそろ後継ぎ問題などにより、最後をどうすべきか悩んでおられます。
人間のように、会社も生まれて80年経てば死ぬと決まっていれば楽なのですが、
順調に行けば、会社は半永久的に生きていくものです。
会社を作るのは簡単なことですが、最後死ぬ時は結構面倒です。
人間と同様、死ぬのは一生に一回しかないですが、それが借金をたっぷり抱えて
亡くなる会社が多いですから(儲かっていれば会社は死ぬことはありませんから)、
ハッピーエンド、とはそう簡単には行きません。
しんどい会社の中の元気な事業を、別の会社に従業員もろとも買ってもらって、
新天地での成長に期待しつつ、抜け殻になった会社を清算する。
これを、第二会社方式と呼んだりもしますが、そういう『死に方』が最近はやっています。
中小企業庁も勧めています。
元気な事業を高く買ってもらい、そのお金で借金を返済し、自分の退職金もしっかりもらって
会社を清算する。最もハッピーは終わり方の例です。ちなみに、退職金は徴収される
税金の額も低いですしね。
会社には、それぞれ歴史と文化があります。
生い立ち、過去の栄光、事業のトラブル、親族間の争い・・・
いろんな経験を踏まえて、組織の文化ができあがってきます。
そういうものをまず『聞く』ことから調査はスタートしますが、
これがなかなか楽しい。
勝ってきた会社と、負けぐせのある会社、確かに共通項みたいなものがあります。
清潔感、受付の雰囲気、従業員の接客態度、すべてが『一事が万事』です。
玄関や応接間だけきれいにしてても、裏をちょこっと見たらボロボロの会社は、
やはり決算書も粉飾していることが多いと感じますし、従業員の接客態度が悪い
会社は、客先からのクレームも多かったりと、ほんと、わかりやすいです。
ただそれら全てを統括するのは、やはり社長なんですね。だから、社長業は大変な仕事
ですし、給料もたくさんもらうべきです。
知らない人も多いですが、中小企業の社長はほぼ100%自社の借入金の保証人に
なっていますから、会社が倒産すれば自分も例えば自己破産ということになっています。
それだけ、腹をくくっているわけです。(上場企業は社長の個人保証は基本的にありません)
『社長になりたい』という人は多いかもしれませんが、
『10億円の借金を抱えてでも社長になりたい』と言える人が、どれほどいるか・・
そう思うと、やはり、従業員は気楽なのです。
話は飛びましたが、会社の業績、文化を高めていくためには、
しっかりとした基礎の上に、ひとつひとつ積み上げていく。
築城する時のように、大切に積み上げていかねばなりませんね。
『一事が万事』
最近のマイブームです。


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