2012.10.01
監査法人若手セミナー
みなさん、おはようございます。
ただいま、伊丹空港に向かうバスの中です。
先週も色々なことがありましたが、特に印象に残っているのは
監査法人の若手に話ができたことです。
私の古巣のあずさ監査法人で、1年目〜7年目までの若手会計士を
中心にセミナー?勉強会?単なる座談会?をしてきたことです。
伝えてきたことは、主に以下の3点。
一流の会計士になれ
以前にブログでも書きましたが、決算の監査で間違いを見つけて喜んでいる
会計士は、2流以下です。決算監査の前に十分に会社と打ち合わせを行い、
間違いがない決算を作ってもらうことが重要。
毎年、サラッと決算を流しなさいと。
ヤクルトの宮本選手のように、一流の選手ほど難しいゴロを簡単なように見せて
処理する。会計士も同じで、一番難しい本決算の監査を会社とのコミュニケーション
を良くして早く情報を入手し、事前に処理し、間違いなく決算書を作成してもらう。
監査法人は会社に感謝し、会社は監査法人に感謝できるようになる。
益々、コミュニケーションが良くなって、事前に情報が行き来する。間違いやすい
ポイントが事前にわかり、早めに対処し、正しい決算書につながる。
監査の手間が減る・・・・・・
といった、好循環を作りなさい、というお話でした。
認められて初めて退職する資格ができる
会計士に限らず、士業というものには独立するか否か?といった選択肢があります。
『井上さん、監査法人をやめたいんですが』という相談もたまに受けますが、
その際に、辞めたい理由は何か?監査法人で認められないから辞めたい、というので
あれば絶対にダメです。
なぜなら、それは辞めてからも癖になって、転職癖だけが残ります。
辞めたいなら前向きな理由で退職すべきですし、監査法人からある程度認められてから
辞めるべきです。
という意味で、認められて初めて退職する資格ができる、というお話をしました。
環境を作れ
これが一番難しいのですが、自分の居やすい環境を創れということです。
あれが嫌、これが嫌と言い訳ばかり言っているのではなく、できるための環境を作りなさい、
というお話です。自分のまわりの人たちも環境ですし、まわりの物も環境です。
環境は誰かが作ってくれるのではなく、自分で作るものです。オーダーメイドで自分の
やりやすい環境を作っていくべきです。
ただ、強引に変えるのではなく、もちろん自分も変わる努力が必要です。
例えば、あの人が嫌いだから毎日仕事に来ていて気分が悪い、という人がいれば、
毎日嫌な気分になっているのではなく、その人を好きになれるように努力すべきですし、
自分が折れて済むのなら折れたら良いと思うのです。目的は、気分よく毎日を過ごすため。
自分が折れれば、相手もいつかそれに気づいて、自分の主張も受け入れてくれるようになります。
相手に勝つことではなく、仕事しやすい環境を作ることを意識すれば、他人との細かい
イザコザは気にならなくなるでしょう。
特に、 と については、コミュニケーション能力を高める必要があります。
監査の中でも、部屋にこもって仕事をしているのではなく、チャンスがあれば、会社の方に
話を聞きに行きなさい。自分から動いて、話を聞きに行きなさいと。
クライアントさんが会計士に相談したいことは、絶対に聞かないといけない重要事項から、
もし時間があれば聞いてみたいことまで千差万別です。
この時間があれば聞いてみたいことを引っ張りだせるかどうかが、若手会計士としては重要です。
重要なことは判断できないが、そうでないなら若手で十分。
そうやって、会社との信頼関係を築いていく必要があります。
部屋にこもって監査するのではなく、経理の部屋まで自ら足を運んで聞きに行く。
もちろん、行くことが逆に迷惑になるケースでは仕方ないですが。
借りた資料は、付箋を外して、自分で返しに行く。
(あずさの子達は、これはできているようでホッとしました。)
当たり前のことですが、社会人としての基本動作をきっちりしていることが重要で、
挨拶なども当然です。
では、自らのコミュニケーション能力を高めるためには?
一番は、人が好きであることだと思います。
相手を喜ばせるためには、相手を理解することが大切。
例えば、経理マンから資料をもらうだけではなく、どういう仕事をしておられるかを理解すれば、
話も膨らみます。また、話の合間に趣味の話を入れる。
そのためには、自分もしっかりと相手に話ができるようなネタ(特に趣味の話や失敗談など)
をもって、自分がどういう人間かをこちらから伝えるようにする。
日本人は特に受け身ですので、自分から言えば、相手も言うという流れになりがちです。
自分から自分の情報をオープンに伝えれば、相手も大抵は返してくれます。
自分から自分の色を出す情報を提供する(野球が好き、旅行が好き、お酒が好きなど)ことで、
相手は自分を覚えやすくなりますし、落ち着かれると思うのです。
人間は、知らず知らずのうちに、初めて会う人に色をつけたいと思っています。
井上さん、だけではなく、会計士の井上さん、野球好きの井上さん、お酒好きの井上さん、
滋賀県出身の井上さん、デイリーヤマザキで朝まで寝たことのある井上さん、・・・・など、
情報をたくさん提供することで、相手は自分に色をつけてくれ、落ち着かれます。
相手の情報収集作業を早く終わらせ、早く本題のことをお伺いするのも、1つのテクニックでは
ないかと思います。
以上、ダラダラと書きましたが、若手会計士には不祥事を起こさないように、
コミュニケーション能力の高い会計士に育ってほしいと思います。
というわけで、伊丹空港につきましたので、宮崎県に行ってきます。
井上 豪