2016.11.09
労働基準監督官が増員されるようです
先日、某新聞記事に「労働基準監督官増員へ」という記事を発見しました。ここ最近マスコミをにぎわせている大手広告代理店で起こった痛ましい事件も少なからず関係しているのかもしれません。また安倍内閣が掲げる1億総活躍プランにある長時間労働の削減も影響しているのかもしれません。
そもそも労働基準監督官は全国に3,200人超ほどしかおらず、その人数で日本全国にある大企業から中小零細まで全ての企業(約400万社)が調査対象となります。一人当たりの担当は約1,250社ということになります。
そしてその人数で毎年16万~17万社程の調査をするそうですが、全ての企業を調査しようとすると単純計算でも約25年かかる計算となります。
比較対象が正しいかどうかわかりませんが、国税庁の職員数は約5万7千人程だそうで、計算すると一人当たりの担当は約70社ですから、5万7千人の全ての職員が調査をしないとしても1人当たりの担当件数はかなり開きがありそうです。
新聞を読んだ限りではいつから増員されるかまではわかりませんでしたが、新聞に出るくらいなのでそう遠くないうちに増員されるのだろうと思います。
色んな会社で時短の取り組みがなされているようですが、今後労働基準監督官が増員されると企業に対する巡回頻度も上がってくると思われます。労務管理をずさんにしている企業は、労働基準監督官による厳しい対応が行われると予想されます。現に今回の大手広告代理店に対しては、相当厳しい調査が行われているようです。
あまりに記事にはなっていませんが、通称「かとく」が行った調査による労基法違反事案については、法人が罰金刑を受けているようです。
「どうせ早く(定時に)帰れないからゆっくり仕事をやろう」という長時間労働が当たり前となっている組織風土がある会社は、そろそろ見直しの時期にきているのかもしれませんね。
特定社会保険労務士 小西 勝