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船戸明の公会計改革「待ってくれ!」

大きくするか、小さくするか

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 6月20日の日本経済新聞「私見卓見」に中央大学名誉教授の佐々木信夫さんが寄稿されていました。

「「廃県置州」で日本に活力を」と題した文章で、こうおっしゃっています。

「明治の「廃藩置県」が人口拡大期に備えた政治革命だったとすれば、未曾有の人口縮小期に備えた政治革命は「廃県置州」だ。日本全体を10程度の広域圏からなる州とし、それぞれが内政の拠点となるよう大胆に分権化する。予算の無駄は省かれ、地方分散も進む。今の政令指定都市や中核市をもとに地域発の目線で広域行政を再構築すべきだ」。

 冷たいなあ。

 一読したときの第一印象です。当たり前ですが、地域には人が住んでいます。ここで語られているのは効率とお金の話のみで、その生活に配慮する言葉が見当たらないのは残念でした。
 
 
 廃県置州が行政単位を大きくする話だとすれば、小さくする話をされたのが思想家で武道家の内田樹先生です。内田先生が勧めるのは「廃県置藩」。

「内田家の菩提寺は山形県の鶴岡にあります。山形県には山形空港と庄内空港、車で2時間ほどのところに空港が二つあります。不思議に思って、ある時、鶴岡の人に「なぜこんな近くに空港が二つもあるんですか」と聞いてみました。すると不思議な顔をして「だって、藩が違うじゃないですか」と言われました。違う藩のところにある空港は使いたくない。それが当然じゃないかという顔をされた。そのとき、日本人の「基礎自治体感覚」は江戸時代からあまり変わっていないことがわかりました」(『ローカリズム宣言』deco、P.96)。

 こうした生活実感に基づく提言が「廃県置藩」です。

「地域の生活文化の同一性に基づいている行政単位ですから、「このあたり」が自分たちの土地であり、「この人たち」が自分の同郷人であり、この土地と同郷人たちと政治的な運命を共にしているという実感があります。その身体実感に基づいて基礎自治体が作られている。道州制のような、数値に基づいて「線引き」が行われて統廃合された自治体は結局うまく機能しません。身体実感に基づく「同郷」感覚が生まれないからです」(同書、P.95)。
 
 
 最初に国ありきで考えるか。
 それとも共同体と考えるか。

 その違いから生じる正反対の提言だと思いますが、大阪南部で長い時間を過ごした身としては、内田先生の提言にシンパシーを感じます。

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