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船戸明の公会計改革「待ってくれ!」

コピペするなら

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 昨年から毎日新聞を読んでいます。

 1月31日の1面トップ記事は「岡山県議 海外視察報告書使い回し 同じ変換ミスもコピペ」。1面トップです。なんだ、と思って読むと、こんな書き出しから始まりました。

「岡山県議13人が昨年度に公費で実施した海外視察で、ほとんどの報告書に同じ文章が使われていることが毎日新聞の取材で分かった。共通部分には、インターネット百科事典などと同一の記述があったほか、大半の議員が同じ変換ミスをしているケースも見られた。ネットからのコピー・アンド・ペースト(コピペ)や議員間で使い回しをしていた可能性がある」。

 コレクション→「これ区書」
 作られたもので→「作られ珠緒ので」

 上の変換ミスが10人、下の変換ミスが11人の報告書から見つかった、と。さらにすべての報告書に引用元の記述はなかったのだとか。

 視察先はワシントンDC、ニューヨーク、ボストンなどを10日間。公費約1446万円が支出されたそうです。

 笑ったのは、毎日新聞の取材に13人が「連名」で答えたこと。どこまでバカなんでしょう。さらにその答えがバカバカしい。

「報告書をまとめる際は、公表された事実を織り交ぜて作成するのが通例で、引用は許される。報告書作成について明文的ルールはなく、ルール違反の問題が生ずることはない」。

 ルールにないからやっていい、って、小学生じゃあるまいし。こういう幼児化した人たちが子どもたちの教育を語るのかと思うと、ぞっとします。
 
 
 恥。
 常識。
 モラル。
 うしろめたさ。

 こうした感覚を、私たちはどこかに置き忘れてきたのでしょうか。

 使っているのは税金。
 こういうことをやっちゃいけない。
 先人にも子どもたちにも示しがつかない。

 13人のうち、誰一人としてそう考えていないことに、モラルやマナーの深刻な欠如を感じます。
 
 
 松村圭一郎さんは、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社)の中で、20年近く関わってきたエチオピアのことに言及されました。そして、こう言っています(P.39-40)。

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 最近、エチオピアでは、私もポケットに小銭があれば、誰かに渡している。なるべく収支の帳尻をゆるくして、お金が漏れていくようにしている。
 自分が彼らよりも不当に豊かだという「うしろめたさ」がある。つねに彼らからいろんなものをもらってきたという思いもある。そのうしろめたさに、できるだけ素直に従うようにしている。
 それは「貧しい人のために」とか、「助けたい」という気持ちからではない。あくまでも自分が彼らより安定した生活を享受できているという、圧倒的な格差への「うしろめたさ」でしかない。
 この違いはとても大きい。善意の前者は相手を貶(おとし)め、自責の後者は相手を畏(おそ)れる。
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 松村さんの胸中をこそコピペしてほしい、と私は思います。

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