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船戸明の公会計改革「待ってくれ!」

公会計の特殊性

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 とある自治体で、簿記の集中講義(全6回)の講師をさせていただきました(まだ終わっていませんが)。

 基本的には「簿記」の研修であって、「公会計」の研修ではありません。ただ、もちろん、職員の皆さんが携わることになるのは「公会計」の世界。最後は公会計の話で終わったのですが、6回話してみてあらためて感じたのは、こと「簿記」という会計技術の話に関しては、企業会計も公会計も大きな差はない、ということ。

 6回のうち、簿記の説明に費やしたのが4.5回、公会計の説明に費やしたのが1.5回。そんな印象です。
 
 
 もっとも企業会計と公会計では、そもそもの主体(企業、自治体)の存在意義が大きく違います。

 企業には、株主から資金調達して、事業活動によって利益を出し、それを株主に還元する、という大きなサイクルがある。

 一方の自治体は、住民から対価性のない税を徴収し、住民の生活基盤を整備するとともに、弱者救済の所得配分を実施する。

 利益という大きな指標を持つ企業に対し、数字で定められる指標を持たない自治体。

 その違いが、損益計算書ではなく行政コスト計算書であることや、純資産変動計算書が重要であることなど、自治体特有の会計様式として表れます。また、財務書類の活用方法を考える上でも、やはり企業会計と公会計では発想の違いが生じてくることと思われます。
 
 
 最後の第6回では、指標を含め、今後の公会計の活用方法には、まだ定まった形があるわけではありません、という話もさせてもらいました。

 研修を受講された皆さん1人ひとりが、何かを感じ、どこかに引っ掛かりを持ってくれていれば、こんなに嬉しいことはありません。

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消費税の研修に向けて

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。

 報道によれば、消費税の税率を10%に引き上げる税制改正は、2年半先送りし、2019年10月からとなる可能性が高いようです。

 そのこと自体は、なるほど、と思います。ただ、さて、再来週に予定されている研修講師でのテーマは「消費税」。さて、どうしたものかと考えてもいます。

 幸い、切り口がいくつもある税金ですので、まずは自分が知りたいと思うことを考えてみたいと思います。

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「再生の町」ノベライズ

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 2009年8月から9月にNHKで放送され、このブログでも少しご紹介した『再生の町』。
 今回、このドラマを小説化した本が、TAC出版から出版されるそうです。TAC出版からは、その前のドラマであった『監査法人』も、脚本家自らがノベライズして、小説として販売されています。
 通常、原作があって、その後にドラマだったり映画だったりの映像にされることが多いそうですが、最近は、このノベライズというのが、一種の流行のようです。
 どちらも今、発注していますので、ドラマとはまた違った雰囲気が楽しめるのではないかと思い、とても読むのが楽しみです。
 先日、とあるセミナーで、TAC出版編集者の方の話を聞く機会がありました。テーマは、書籍の企画と電子書籍について、ということでしたので、上記の作品とは直接関係ありません。
 電子書籍に関しては、もう既に出ているのですが、
   本(文章)+動画
   本(文章)+音楽
   元は文章だったものを、ゲーム形式に変換
など、様々な使い方が考えられるのではないか、ということをおっしゃっていました。私自身は、まだ本は紙で読む派です。ただ、確かにそこに動画があったりすると、全く違う娯楽作品として楽しめる幅は広がるでしょうね。
 そういう柔軟な発想が必要なのだ、と改めて感じたセミナーでした。

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会計の国際化

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 今日、とある会合に出ました。テーマは「国際会計基準」。基調講演やディスカッションが行われましたが、不思議だなあと思った点があります。
 まず、誰も国際会計基準の「思想」について触れないこと。国際会計基準は何を考えているのか。どういう発想で今の基準になっているのか。どういう発想で、工事進行基準がダメになりそうなのか。国際会計基準の「思想」の理解なくして、お客さんに国際会計基準の何たるかを説明することは不可能です。本屋に国際会計基準本は山積みですが、「思想」を語っている本はきっとないのでしょうね。
 それと、皆さん、「教育」を熱く語られていました。国際会計基準を教えることが出来る人材の育成が急務だ、と。これは、お客さんに対する教育を議論していたと信じたいのですが、一部の発言を聞いていると、我々会計人に対する教育が出来る人材育成、と勘違いしている人も多々いるのではないか、と不安に思いました。誰が、公認会計士に国際会計基準を教えるのでしょうか。おかしな考えです。自分で勉強しろ、と言いたい。言うだけで、私も読んでもいませんので、偉そうなことは言えないのですが。でも、本気で腹の底から理解しようと思うと、自分で時間かけて読んで、理解しないと、腹には落ちません。どこかのタイミングで、思いっきり時間をとって理解する時間が必要なのです。そんな意識もなく、教育を人任せにしているような雰囲気が、妙にひっかかりました。
 いずれにせよ、公会計の世界でも、国際化という話が出てくるのは時間の問題でしょう。しかし、冷静に、公会計でなぜ国際化が必要か、という議論は、じっくり時間をかけて煮込んでいく必要がある議論です。単に、民間企業でも国際化しているから、ということで終わらせないために。

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公会計シンポジウムat京都大学

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 10/31に、京都大学にて、「地方自治体の会計・監査の現状と課題」と題するシンポジウムが開催されました。会計専門職の学び直しを支援するプログラムの一環のようで、綺麗になった時計台記念館で開催されました。包括外部監査のご経験豊富な会計士の方や、東京都・大阪市の課長・参事の方がパネリストにいらっしゃいましたので、懇親会も含めて参加してきました。
 シンポジウムの方は、(1)財政健全化法、(2)新地方公会計における財務4表、(3)自治体監査、の主に三点について、様々な発表・提案・ディスカッションが行われました。
 (1)に関しては、金融機関などの貸し手にも負担を求めるデフォルト処理について、今後のあるべき方向性を聞きたかったのですが、質問する時間がありませんでした。これは残念。
 (2)に関しては、やはり法的根拠がないこと、基準が入り乱れていること、活用方法が分からないこと、システム負担が大きいこと、などが議論されました。ある教授からは、包括外部監査のテーマとして新地方公会計の財務4表監査を取り上げたらどうか、という提案もなされていました。
 将来的に監査が必要になる、という点に全く異論はありません。が、私は、まず優先順位の一番目にあげられるのは、公会計基準の見直しだろうと考えています。基準モデルと改訂モデルが存在し、そこに東京都方式がいつの間にか勢いを増している状況を見れば、今、自治体に出来るアドヴァイスは、当面、改訂モデルで様子を見ましょう、ということになってしまいます。更に、作成される数字の適正性は、ほぼ全く確保されていない、といっても過言ではありません。何度も話していることですが、総務省や日本公認会計士協会など、関係者による統一した公会計基準の策定が急務だと、改めて感じました。皆の議論のもとに作成された公会計基準が存在しない限り、財務書類監査も実施するすべがありません。
 それと、もう一点。公会計にも国際公会計基準(IPSAS)というのがあり、議論の中でも国際化という話はでてきました。しかし、なぜ、国際化が必要でしょうか。中身の議論なしに、またしても企業会計のIFRSの流れだけから、公会計の世界でも国際化が必要だ、との論調が気になりました。企業への投資を巡っては、投資マネーに国境はない、という面もあるでしょう。しかし自治体の場合はどうでしょうか。投資家の投資ポジションに締める国家・自治体債券の割合、最大の利害関係者である住民は財政状態だけで居住場所を選ぶのではないということ、など。何でもかんでも、企業会計の後追いというのでは、公会計が目的を失った形式的な会計になってしまいそうで、非常に不安です。
 今日から、国会で予算審議が始まるようです。民間企業の予算が、ここまで大々的に扱われることはありませんね。予算の位置づけからして、民間企業と国家・自治体では違うということです。違う部分を明確にして議論する必要があるように感じます。

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公会計研修会を終えて

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こんにちは、大阪発公会計ブログ担当の船戸明(公認会計士)です。
 とある会社で実施してきた、公会計社内研修会も、今日の第8回を持って、一通りの内容を終了しました。資料は、エアーズ経営研究所のHPにアップしていますので、ご興味があれば、ご覧下さい。
 それにしても、8回というのもあっという間で、自分の頭の整理にもなりました。聞いて頂いた方、最後まで、ありがとうございました。とにかく、お伝えしたかったのは、以下の点です。
●公会計の二大論点は、固定資産評価と連結財務書類であること
●全庁体制を取らなければ、意味のある公会計財務書類の作成は不可能であること
●公会計自体、まだまだスタートしたばっかりの過渡期であり、様々な面で議論不足であること
●まずは作ってみることが大事であること
 こうした意識を首長自身にお持ちいただき、是非、積極的に取り組んでもらいたいものです。また、そうした活動に少しでもお役に立てればと考えています。
 ここ数日、自治体をめぐっては、いいニュースがありません。自治体病院の経営悪化、京都市営地下鉄の財政健全化団体入り確定、そして大阪府によるWTC購入案可決。最後の件、ちゃんとニュースを見ていませんが、購入案は可決して、移転案は否決、ってどういうことなのでしょう。システム入れ替えで、新システムは入れるけれど、旧システムも捨てません、ということですよね。一番コストのかかる方法です。移転案も近々再々審議を行い、可決することに向けたストーリーなのでしょうか。
 いずれにせよ、外郭団体や第三セクターなど、連結ベースで全ての意思決定は進んでいます。会計の議論と実務が遅延していますので、ネジ巻いていかないといけませんね。

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